命の次

「そんなもの」

その女は煙草の匂いや香水の匂いをさせることなんてしない。派手に着飾ることも素を晒すようなこともしない。ただ白いワンピースと華奢なヒールを身に付けて、細い腕で銃を構えるような毅然とした態度で言う。

「いらないわ。命の次にいらない」

「命の次」　お題提供：キョウダイ

アバウト

●こんにちは。
こちらは「はて」というテキストサイトの雑記兼短編置き場です。


サイトもブログも万年停滞中です。
年に1回更新するかしないかくらいです。合掌。


○管理人は
リューという人がやっています
音楽とチョコレートが好きです。



2012.01.15 追記

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「ねぇ、食べないの?」
「食べない」
「これちょっと食っとけば?」
「いらない」

何もいらない。
何回言ったか、それでも彼はしつこくいろんなことを言ってくる。
あたしは布団に潜って、反対を向いている。
彼はどんな顔をしてるんだろう。

「ねぇ、これ」
「いらないってば！」

急に起き上がったら彼はちょっと驚いてそれから、

「わかった。」

と言った。
両手に白いお皿を持って、部屋を出て行った彼の、
冷たい目にあたしは怯えた。


勝てるわけがない。


「…ずるいよ」


いつだって悪いのも弱いのもあたしなんだ。