短い会話や日常について
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生ぬるい空気がゆっくりと地面から這い上がり
代わりに黄味を帯びた光がゆっくりと吸い込まれる。
そうして暮れたばかりの空にぽっかりと開いた月が赤かった。
「めっちゃきれい」
「すごいね」
先に気付いた俺は天を仰ぐ。
いつもは唯の蒼白な穴にしか見えないのに、今日は薄明るく濁った雲を従えていて、
それがまるで月からどろどろと流れ出しているように見えた。
これ程までに赤いと、
「なんか血痕みたいだね。」
返事はなかった。
隣りの彼は立ち止まり、随分と赤い月を気に入ったのか、或いは逆か。
色素の薄い目は少し怖いくらいに赤に魅入っている。
(……しょーがないな。)
手に持ったコンビニ袋。
それさえも落としそうで。
多分自分には、最早空に依存に近いほどの執着を見せる彼を歩かせることなどできないから。
かけたかった言葉はため息と一緒に飲み込んで、とりあえず彼がどこかへ飛んで行ったりしてしまわないことを願っておいた。
代わりに黄味を帯びた光がゆっくりと吸い込まれる。
そうして暮れたばかりの空にぽっかりと開いた月が赤かった。
「めっちゃきれい」
「すごいね」
先に気付いた俺は天を仰ぐ。
いつもは唯の蒼白な穴にしか見えないのに、今日は薄明るく濁った雲を従えていて、
それがまるで月からどろどろと流れ出しているように見えた。
これ程までに赤いと、
「なんか血痕みたいだね。」
返事はなかった。
隣りの彼は立ち止まり、随分と赤い月を気に入ったのか、或いは逆か。
色素の薄い目は少し怖いくらいに赤に魅入っている。
(……しょーがないな。)
手に持ったコンビニ袋。
それさえも落としそうで。
多分自分には、最早空に依存に近いほどの執着を見せる彼を歩かせることなどできないから。
かけたかった言葉はため息と一緒に飲み込んで、とりあえず彼がどこかへ飛んで行ったりしてしまわないことを願っておいた。
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